矯正治療の保険適用

通常の矯正治療は、「審美的な処置」という側面が強いため、保険が適用されません。なお保険適用の矯正治療は、認可された医療機関(指定自立支援医療機関、顎口腔機能診断施設)でのみ行うことができ、当院は保険を使って矯正治療を実施することができる歯科医院として東京都の認定を受けています。

基本的に、以下にあげた顎変形症や唇顎口蓋裂、多数歯欠損等先天的な疾患を除き、矯正治療に保険は適用できません。

健康保険証とお金のイメージ

保険適用の矯正治療の適応症

顎変形症

人体模型のアゴ部分の写真。

顎変形症とは、上顎、下顎、もしくはその両方において、過度な成長や成長不足により成長の著しい差ができ上下左右に骨格がずれたり、変形することにより、噛み合わせに異常が起きている状態です。顎の手術を併用する外科矯正が必要な場合は矯正治療の保険適用が可能です。

● 上顎前突

● 下顎前突

● 上顎後退

● 下顎後退

● 開咬

● 顎骨非対称 など

唇顎口蓋裂

乳児の写真。指しゃぶり

唇や口の中で本来くっつくはずの部分がくっつかず割れ目になっている状態を言います。その割れ目の場所や程度によって「完全口蓋裂」「片側口蓋裂」「硬口蓋裂」「軟口蓋裂」「完全唇顎口蓋裂」「不完全唇顎口蓋裂」など様々な名称に分けられます。

いずれも、保険を適用した外科矯正を受けて頂くことができます。

先天性疾患

その他以下の先天的な疾患を有する場合は矯正治療の保険適用が可能です。

歯と歯茎のイメージ


● 6歯以上の非症候性部分性無歯症
● 第一・第二鰓弓症候群
● 鎖骨頭蓋異骨症
● Crouzon症候群
● Treacher−Collins症候群
● Pierre-Robin症候群
● Down症候群
● Bechwith-Wiedemann 症候群
● Russel-Silver症候群
● Turner症候群
● 尖頭合指症 その他

(数年に一度改定されますが基本的に先天的な疾患を含むものが適応されます)

外科矯正

外科矯正を行うべき症状には正式な病名がついており、健康面における治療であることが認められているため、保険が適用されます。外科矯正とは、通常の矯正治療のように歯に力を加えて移動させていくだけではなく、矯正治療に外科手術を併用することによって顎の骨の位置から根本的に形態を整える治療方法です。生まれつき上下の顎の成長に著しい差がある方や骨格が左右非対称になっている方の場合、顎の骨という土台になる部分から形態を正すことで、きれいな骨格と歯並びを得ることが可能となります。唇顎口蓋裂や先天性異常、多数歯欠損などの場合は、通常の矯正治療だけで治ることもありますが、治療が困難なこともあり、その場合も顎の骨から正常化させることで、きれいな顎の形と歯並びが実現できます。

外科矯正の流れ

レントゲン写真が映し出される診察台。患者さんに説明する女医

術前矯正(当院にて)

外科矯正では、いきなり手術を行うのではなく、手術後に咬みあう状態を作るため、まずは半年〜2年程度矯正治療を行います。


外科手術の写真。レントゲン写真を確認する女医

手術(提携病院の口腔外科にて)

口腔外科手術によって、顎の骨の位置を整えます。なお、手術は全身麻酔下で行います。また、1〜2週間の入院が必要になります。


外科手術後のカウンセリング風景。男性患者の話を聞く女医

術後矯正(当院にて)

外科手術で顎の位置や形態を整えた後、その後は通常通りの矯正治療としてさらに半年〜1年程度をかけて最終仕上げをしていきます。

術後は一般的な矯正治療と同様な経過となります。

外科手術後、骨はプレートで止めてありますが、通常1年程度経過後に撤去します。

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