感染症対策について
新型コロナウィルス感染症の増加に伴い、当院の感染に対する取り組みについて改めて見直してみました。
もともと歯科という分野は常に感染症との戦いですから、今回のような未知なるウィルスに対しても、普段から行っているスタンダードプリコーション(標準予防措置策)の基に「汗を除くすべての血液、体液、分泌物、損傷のある皮膚・粘膜は感染性病原体を含む可能性がある」という原則を念頭に置き、診療をしていくことに何ら変わりはありません。
口腔内に用いた器具はすべて滅菌消毒を行い、細菌やウィルスを無毒化します。ディスポーザブル可能なものは極力使い捨てにします。そして患者さんのお口に入れるものは常に清潔で無毒化されたものをと心がけております。「患者さんのお口の中に入れるその器具、その自分の手、今自分の口の中に入れられるか?」と自問自答しスタッフ一同取り組んでおります。
しかし新型コロナウィルスの厄介なところとして飛沫で感染するといわれているところです。歯科の場合どうしても大量の水と空気を回転切削器具や超音波器具を用いてお口の中に吹きかけ削りますし、お口の中に入っていた入れ歯などもその場で削ります。他診療科に比べて診療室内での飛沫感染という部分ではリスクがあると思われます。そこで感染対策として口腔外バキュームの需要が高まり、現在供給が追い付かない状況となっているようです。
当院では2016年の改装時に可能な限り安心安全な医療提供を実現するために、各フロアに医療用空気清浄器メディカルライトエアー(ウィルス除去率99%以上)を設置し室内空間の除菌をおこない、各診療ユニットに口腔外バキュームを設置し口腔内からの飛散を極力吸い取るように努めてまいりました。これらにより診療室内での格段に飛沫感染リスクは軽減しますので安心です。(また窓を開放し常に換気も心がけております。)
また歯科医師、歯科衛生士は治療や、施術において患者さんに近接することから相当量の飛沫を浴びます。術者が飛沫を浴びたままの身体で次の患者さんとまた近接してしまうと、自分が感染を広げてしまう可能性が出てきます。そこで必要なのが防護衣、フェイスシールド、マスク、グローブといった個人防護具です。2020年の緊急事態宣言下ではこれらが手に入らず診療制限も行いました。2021年1月現在はディスポーザブル可能なものがある程度確保できましたので、術者から感染させられるリスクも軽減できましたのでご安心ください。